“健やかな子どもたちの未来を守る社会“を目指して

はじめまして、一般社団法人乳幼児アレルギーケア協会 代表理事の岡山と申します。
よろしくお願いいたします。

私は30年以上に渡りアレルギー患者の治療およびアレルギー疾患の研究に携わってまいりました。
大学のアレルギーセンターには本当に重症の食物アレルギーなどの患者さんが紹介されてお出でになります。
何を食べても酷い症状がでて、食べられる物がなくやせ細ってしまっている方、アナフィラキシーを頻回に起こして仕事にも行けない方、化学物質に過敏に反応してしまい普通の生活が困難な方などです。
患者さんが一番辛いことは、その苦しみを周囲の方に理解されないことです。
時には医師に精神疾患だと言われたり、心の病気だと言われたりすることも多く、家族からもその辛さを十分に理解されず、長い年月、孤独に過ごしていることが多々あります。
本人の辛さを理解し、寄り添うことがまず治療の第一歩です。
そんな患者さんのお話に耳を傾けますと、多くの患者さんが子どもの頃から症状が始まってだんだん酷くなっているとおっしゃいます。

最新の治験でアレルギーは、予防が可能になってきました。
2008年までは食物アレルギーになる可能性があるため、卵、牛乳、ナッツ、魚の離乳食は遅らせるべきだと指導されてきました。
今、子育てされていらっしゃる方々のご両親世代は今でもこの考えを持っているため、その考えを引き継ぎ、離乳食を遅らせるご家庭が多いのも事実です。
しかし現在では、アレルギー物質は主に皮膚から入り、それらを食べることでむしろアレルギーを防ぐことが分かってきました。
だからこそ、離乳食や牛乳の摂取を遅らせる必要は全くなく、むしろ早期摂取の方向へと時代の流れは進んできています。
そうです。いまや、アレルギー概念のパラダイム転換が起こっているのです。
乳幼児期は今後の人生のアレルギー症状の重症度を決定する大切な時期なのです。

私達は、アレルギーの発症を予防するための正確な知識、また発症してしまった場合でも思春期に持ち越さないための正確な知識の提供の場をつくることをこの協会のミッションとし、皆様の健康を維持するための正しい選択肢を増やし、”健やかな子どもたちの未来を守る社会“を目指します。

令和4年6月9日

代表理事 岡山吉道

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